魚はその種類ごとに、生息する深さ（水深）が違います。
私たちがふだん接し、食べることが多いのは アジ・サバ・マグロなど、主に表層を泳ぐ魚たちですが、
それ以上の深い海にも、たくさんの魚や生き物が暮らしています。
水深200m以上の「深海」と呼ばれる層に生息する魚介類を 一般的に深海魚と呼んでいます。
海岸からわずか2kmほどの距離で水深 500mの深さにまで達する駿河湾。
その海底は急峻でダイナミックな地形を描いていて、駿河湾最深部は、水深2,500メートルに達し、日本一の深さになります。
その駿河湾から望む富士山は、標高3776メートルという日本一の高さを誇り、富士山の山頂から駿河湾最深部まで、その高低差は6,000メートル以上になります。
その富士山に降る年間約25億tもの雨や雪は、大地に染み込み、やがて美しい湧水として地上に現れ、滔々と駿河湾海に注ぎ込んでいます。
また他の水深の海水と混じり合うことのない海洋深層水には「低温安定性」「清浄性」「高栄養性」などの優れた特性がありますが、
駿河湾には黒潮系、亜寒帯系、太平洋と、三種類の深層水が存在することがわかっています。
地形・水・栄養素。これらの恵まれた環境によって、駿河湾は深海魚を始めとする多様な生物を育むふるさととなっているのです。
イセエビとよく似た生態を持ち、味の良さでもイセエビに匹敵すると言われるが、市場への流通量は少ない。
浅い海の海底を好む1mほどのサメ。丸い頭部と茶色い体色と縞模様を持つ。サザエや甲殻類を餌とすることからサザエワリの別名もある。
ぬめぬめとした柔らかい魚体をしたエソの仲間で、ほとんど水揚げがないため、一般的にもあまり知られていない。
ゾウリエビとよく似た体型のセミエビの仲間。特に西日本では貴重な水産資源とされ、その甘味と旨みは多くのファンを持つ。
まん丸の体型をしたカニで、巻き貝などの中身をはさみを使って上手に食べる。一般的に食用にはされない。
足を広げると最大で3mから5mにもなる世界最大のタコ。食用としてマダコとともに広く流通している。
食べて美味しい魚だが、ヒレのトゲに毒をもっているため取扱には注意が必要。
ウミヘビの名があるが、れっきとした魚でウナギの仲間。釣りの外道として知られ、ウナギのような食味はない。
1m以上に育つ底生のサメ。「人魚の財布」と呼ばれる独特の形の卵を産むことでも知られる。
丸っこい魚体の真ん中にある黒い円形の模様が「的」に見えることから名づけられたとも言われる。白身で美味しい魚。
体長15cmほどのダンゴムシの仲間で、水深150ｍ以上の深い海底の掃除屋さん。海外にはさらに大きいダイオウグソクムシもいる 。
浅い海から600m近い水深まで幅広く棲息するアンコウの一種で、アカアンコウとも呼ばれる。揚げ物や煮物、汁物として食され、肝は特に美味といわれる。
北海道以南の砂泥の海底に棲む1.5mほどのサメ。肉は食用で、蒲鉾やはんぺんの原料となる他、フカヒレとしても食される。
300m以深の深海性のエビ。トロール漁で漁獲されるが、漁獲量は多くないため市場に出回ることは少ない。甘味が多いため、特に刺身でよく食される。
50m～300mの海に棲む5cmほどの小さなカニで食用にはならない。ビワガニによく似ているが、ビワガニにある甲羅の両側のトゲがない。
20cmほどの大きさのタラバガニ科のカニ。カニの名を持つが正確にはヤドカリの仲間。1月から6月前後が漁期で、近年、市場での人気が高まっている。
背中が飛び出た独特の体型をした魚で、水深400mくらいまでの深海に棲む。水揚げが少なくあまり出回らないが、その美味しさには定評が高い。
タチウオと同じ科に属し、細長く銀色の魚鯛もよく似ているが別の魚。水深200m以上の深海に棲み、漁場近くでは天ぷらなどで食されるが、一般にはあまり知られていない。
10cmほどの奇妙な生き物。細く長い足がクモを思わせる。体がすべて足に見えることから名づけられた「皆脚目」に属する。
タラバエビの仲間で体長は20cmほど。300m以上の水深を好み、ねっとりとした甘味の強い肉質を持ち、漁獲量の少なさから高級エビとして知られる。
一見カエルのように見えるアンコウの仲間。体長は20cmから30cmほどで、その姿の通り海底を好み、トロール漁で漁獲される。
日本近海の深海性エビを代表するエビ。戸田では手長エビとも呼ばれ、和食はもちろんフレンチやイタリアンでも重用される。
水深200m以上の深海に棲む20cmほどのエビで分類上はヤドカリに近い。静岡ではその姿から「クモエビ」とも呼ばれ、大型で美味な貴重なエビとして取り扱われる。
深海魚の代表として知られるアンコウ。アンコウ科には20種以上が含まれ、そのいずれも食用にされる。代表的な料理はアンコウ鍋など。
水深100m前後でよく漁獲されるミシマオコゼの仲間。体長40cm前後と身の量も多いが、一般に流通することは少なく。もっぱら漁港周辺での日常料理に使われる。
とても細長い体型をもち、身が締まった普通のイカとは違い、クラゲのような柔らかく手応えのない身を持つ。ホタルイカのように鮮やかに青く発光することでも知られている。
体長20cmほどのソコダラの仲間。姿をみてわかるとおりほとんど身を持たないため、漁獲後に利用されることはほとんどない。
深海に棲むマトウダイの仲間で、カガミの名の通り光沢のある魚体と独特の丸い体型を持っている。刺身や焼き魚、汁物など多様な調理法で食される。
戸田を代表する深海魚のひとつ。ソコダラ科に属し、クチバシのように尖った口が個性的。戸田では刺身や鮨ネタとして好まれている。
体長50cmほどのギンザメの仲間。水深500m以深の深海に棲む。食用にされることはあまりない。
比較的沿岸の深海に棲み、体色の赤さが特徴的。唐揚げや刺身で食べると美味しい。。
川のサワガニのようなスタイルの深海性の美味しいカニ。「マルズワイガニ」という名でカニ缶などに加工されることも多い。
イバラガニによく似たタラバガニの一種で、一般にあまり流通していないが、実はとても美味のカニとして通にはよく知られている。
全身が薄いピンク色をしたソトオリイワシの仲間。たっぷりと脂が乗った身はとても美味とされるが、漁獲量が少ないため貴重な魚のひとつ。
タラバガニの仲間で別名「ミルクガニ」。水深700mから1,000m以上の海底に棲むとされ漁獲量も少ないが、貴重な海洋資産の一つとなっている。
イワシとは似ても似つかない体型で、魚体の表面に発光器を持った深海性の魚。トロール漁の漁獲に混じるため戸田周辺では焼き魚や唐揚げなどで食べられる。
牙をもった大きな口とアゴに、細長い魚体。さらに体表面には発光器も備えるなど、深海魚ならではのシンボリックな特性を持つため、図鑑などでもきっと一度は見たことがあるはず。
タコとは思えない独特のスタイルと、よく見るとカワイイ表情で新たな深海アイドルとして大人気。
水深200ｍ〜800mほどの深海底に住み、足を広げると3m以上にもなる巨体を誇る世界最大の甲殻類です。
体長17センチ前後になる。吻の前の突起は左右に開いており、全体を硬い刺々しい鱗で覆われている。
正式名は「アオメエソ」。戸田では「メヒカリ」や「トロボッチ」と呼ばれる深海の高級魚です。
姿形がキスに似ている深海魚で正式名は「ニギス」。戸田では「メギス」として親しまれ、戸田とろはんぺんの主原料になります。
体表のヌメヌメが特徴でウナギに似ているが、厳密には魚類でなく円口類の生き物。漁獲量は多いが実はこれも「生きている化石」です。
駿河湾でもめったに捕獲されない魚でサメの仲間。原始的なサメの特徴を残すことから「生きている化石」とも呼ばれます。
黒褐色の体と大きな緑の目が特徴の「深海のゴジラ」。その印象とは裏原に、身や肝油が重宝される希少種で、準絶滅危惧種にも指定されています。
| 開館時間 | 8：00～17：00 |
| 料金 | 無料 |
| 休館日 | 水曜日 |
| 場所 | 静岡県沼津市戸田523-9 戸田漁港直売所の隣 |
戸田港に水揚げされる深海魚の撮影会を定期的に開催！親子で楽しめるイベントです。
駿河湾の深海の主役たちが勢ぞろい！
